第六話 真狩村の小さな助産院

多くの方々に「なんで真狩なの?」と、よく聞かれます。

 
私の生まれは十勝の士幌町。
夫の生まれは羽幌町にある天売島。
実は、真狩村には縁もゆかりもないんです。

 
私たちは家族は、
夏には、キャンプ、登山、カヌー、釣り、山菜取り
冬には、スキー、スノーボード
と、季節問わず、外にいるのが好きなのです。

北海道のどこに住んでいても、真狩村によく訪れていました。

真狩村のメインストリートから見る雄大な羊蹄山、季節ごとに移り変わる「エゾ富士」は、いつ見ても感動的です。

 
ずいぶんと前の話ですが、真狩の温泉でぼんやりと湯船につかっていたらおばあちゃんから「お先に~おやすみなさい~」と声をかけられ、あわてて返事したことがありました。

周りには私しかいなく、「ん?知り合いだったのか?家族か?」なんて考え、なんだか心まであたたまりました。

 
真狩の方々は、皆あたたかです。
将来、この辺りに暮らしたいと、夫と土地を探し始めたのは10年以上も前からでした。

その後、転勤で近隣の地域で働くことになり、真狩村をますます縁を感じるようになったわけです。

 
 
この地の空気、水、山のパワーとエネルギー。

そして、豊かな大地と湧水は驚くほどおいしい野菜を実らせます。

 
真狩村で今飲んでいる湧水は100年くらい前に羊蹄山の山頂に積もった雪が溶けたものだそうです。

どおりでご飯がふっくら炊けるのは驚きです。

そして、このおいしい水や真狩の食材を使った、真狩のこだわりの食べ物や食べ物屋さん。

どれも丁寧に時間をかけて、作られているものばかりで、私の食べ物への「こだわり」につながっているように感じたんです。

 
この土地で、羊蹄山のふもとでしっかりと大地に足をつけて、生きていきたくなりました。

そして、生きること、生まれることを手がける私の夢の「助産院」をここでやろう!と決意したんです。

 
 
「星がすごいんだなあ・・・・落っこちてきそうで、こわいね」
「朝焼けがきれいだなあ・・・・光、浴びておこおっと。」
「真狩って時間がまったり流れない?真狩時計があるんだ。」

真狩村に来てから、娘の言葉が光ります^^

 
 
元気がなくなったら、自分にパワー不足を感じたら、ちょと真狩に来て、山をみて、深呼吸してみませんか。

すぐそばで、採れたての新鮮野菜がずらり並んでいます。

 
 
育児に疲れたり、時に途方にくれることがあったとき、現実から離れて、少しでもゆっくり過ごせる時間がもてたら、乗り越えていけることがたくさんあるはず。

 
子育てを応援する助産院を立ち上げるには、私自身がこころ豊かに暮らしていけるように、私はどうしても、真狩村以外に助産院を立ち上げるイメージが湧かなかったのです。

 
第七話に続く

 

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