第八話 私が大切にしたいこと

私はこれまで、沢山の方々と出会い、いろいろな方々と話をしてきました。

そこで、私がたどり着いた「思い」というものがあります。

 
それはお母さんたちが個々に抱える子育てやその背景が多様化していること。

そのため、それぞれに合わせた融通が利くサービスメニューなど公務員として対応しきれない、行政に限界を感じたこと。

 
私自身2人の出産を終え、後になって自分でわかった情報や、2人目ではじめて知ったことなどが沢山ありました。

そうなって初めて、最初から様々な体験談をふまえ、選択できる色々な方法を知っておきたかったと強く感じました。

 
こうして、私は公務員を辞め、お母さん一人ひとりとじっくり向き合うために、この「なみうち助産院」を立ち上げたのです。

 
 
あなたにとって 子育ては楽しいものですか?辛いですか?

 
子育ては楽しいものだと、人に押し付けるものではありません。
子育てなんて辛いものではないよ、これもいいきれません。

無理して楽しくしようとすると、
かえって辛くなるものでもあります。

 
子育てを楽しいと思えない。
子育てが楽しいなんてきれいごとではないのか。

自分の子供をかわいいと思えない。

みんなのようにできない。
私は母親に向いていない・・・。

 

世の中に子育てが辛い、と思っている人はたくさんいます。

子育てに疲れ切って、または、子育てをとおして自分の幼少期を思い出して、子どもに向き合うこと自体が辛いと感じる人もいます。

でも、子育てに正しい答えなんてないのです。

 

私は、
助産師でもあり、
看護師でもあり、
保健師でもあり、
母親でもあります。

医学的なこと、心理的なこと、経験的なこと、そういったありとあらゆる知識をフル活用して、よりよい方法・やり方を、お母さん達が選択していけるように、一緒に考えていくことができます。

 
例えば、私と話し、母となった自分と向き合い、紹介する教室などで、
「気分転換する」
「時間をつくる工夫を知る」
「育児の知識を得る」
などなど、こういったことを通じて、自分なりの子育て方法を見つけ出す。

そして、その先に、結果としての「楽しさ」と「家族が増えた幸せ」を、あなた自身が見つけられるように

 
私も子育てしている一人として、皆さんとともに歩んでいきたいのです。

 
これが「なみうち助産院」の考え方です。

 

実際、私もはじめは、育児が大変で、辛いと思ったこともあります。

でも、自分の経験と専門的な知識、そしてお母さんたちとの出会いによって、徐々に「辛い」から「楽しい」に転換できたんです。

 
今は子どもたちや夫の理解もあって、妊娠・出産・子育てをすることは、「辛いことではない」と確信してます。

むしろ、楽しいことであると伝えたい。
それを楽しまなきゃもったいない!と思うんです。

 
私が楽しさへと転換できたように、子育てを楽しめるヒントはあなた自身がもっている、そのすぐ近くにあるように思うのです。

 

いくつになっても母が私を心配してくれるように、夫の母が私のことまでを心配してくれるように、嫁にいった娘を心配し、息子の嫁までを思いやる

離れていてもずっと子どもを思う強く、あたたかい母親でありたい。

 
せっかく命を産む性をもつ女性として生まれ、愛する人と出会い、命をさずかったなら、命をつなぐ素晴らしさを子どもたちに伝えられるように。

大変な中にも楽しい子育てであったことを胸をはって子どもたちに伝えられるように。

 
そして、子どもが生まれた時に、どれだけ家族が、その誕生を喜び、たくさんの人にあたたかく迎えられたか。

子どもたちに伝えられるような子育てをたくさんのお母さん達と一緒にしていきたいと思っています。
 
 

育児に奮闘する一人間として、これから母となるみなさんと、すでに子育てしているみなさんと、一緒に歩んでいきたいのです。

 
第九話に続く

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