第四話 私の子育て物語

私自身、1人目の子育てはとにかく必死。

 
そして、やっと母になれたうれしさもあって、一生懸命頑張る日々だったのです。

でも、実際は、楽しいけれど、体がついていかず、心から楽しめる「ゆとり」が、無かったように思います。

 
布おむつで、そして、母乳でと、きちんとやりたい理想を自分でかかげ、睡眠不足で熱を出してしまったりと、理想どおりできない自分を情けなく思ったりしました。

 
家事に時間をかけられない、でも、ご飯は自分で作りたい。

子どもとふれあいたい、でも、自分の時間もほしい。

 
育児は時間との闘いといっていいほど、とにかく時間がない・・・。

 
 
自分へ負荷をかけ、自分の生活スタイルも仕事も理想をかかげ、手をぬきたくない頑固者の私。

さらに、もともと段取り良く、計画的にこつこつきちんとやるというタイプではない性格。

そして20代での出産と違って、睡眠不足は大敵で、気合と根性では乗り切れないのです・・・。

 
 
いろいろやっていくうちに見出したのが、

  • 自分のペースをつかんで、自分が納得できるやり方を見つけ出す
  • ひとつひとつクリアしていけば、自分がやれる範囲が拡大する

ということ。

 
これは今でも私のテーマで、沢山出会ったお母さんたちの工夫やコツも合わせ、さらに勉強・研究を重ねる毎日です。

 
いろいろな国の育児文化のちがいも研究中なんですが、日本の子育ての文化も素晴らしいところがいくつもあります。

そんなことも、私の医学の知識とともに、これからお母さんとなる方に、少しでもゆとりをもった育児ができるように、伝えていきたいのです。

 
 
もともと身体が弱かった私の母は、自然治癒力に働きかける「イトオテルミー療術」を習ったり、子供だった私たち(私と姉)を、今で言うベビーマッサージをしたり、はたまた、足湯をしたり、こんにゃく湿布や時にはお灸をしたり などなど、人が本来持つ力を引き出せるようにとできるだけ自然療法を用いて、いろいろやってくれました。

 
また、自ら味噌や梅干しを手づくりするなど、食べ物を通して、体調や健康にこだわった母親。

揚げ物をしては気分が悪く、休んでいるのが多い母親だったのに、自らの努力で体調の弱さを克服してしまったんです。

私の母は、私たちの太陽として、家族を守ろうとする母の強さを感じます。

「お母さんは家庭の中で太陽だからね」
「お母さんは笑っていなくちゃ」
とよく言っていた意味がようやくわかったような気がします。

 
 
長くうけていたいじめをはじめて母親に告白した時に、食べた涙とあわさりしょっぱいうどんの味は受け止めてもらえた安心感と共に鮮明に記憶に残っています。

 
一人暮らしをはじめて、さみしい時も、初めての仕事がつらくて泣きそう時も、母の手作り味噌で使った味噌汁と梅干しとご飯さえあれば、なんだか元気が出る気がしました。

 
母親が作った食べ物が、子供や家族の身体をつくり、記憶に残り、手をかけてもらえたという安心感にもつながると私は考えています。

 
心を込めて家族のご飯を作るのが、母である私の勝手な使命である気がして、だから私も、味噌づくりを続けています。

時々サボりながらではありますが(笑)

もちろん外食や出来合いのものを買ったりもしますよ~。
 
 
 
私の考えるご飯づくりは、栄養のバランスも大事ですが、できるかぎり地元で作られる、顔が見えて安全なものを選ぶこと。

 
つまり、食材にこだわりたいのです。

 
家族が一緒に暮らせる間、私が作れる限り、一食でも多く、安全なものを一緒に作って食べたいと思っています。

 
 
ストレスが多いこの時代に食を通じて、私の子供だけでなく、子供たちには、何があっても乗り越えていける変化に対応していける、強い身体と心をもてるように。

 
子どもたちに、食べ物の大切さを伝えていくことも、私の大切なテーマです。

 
第五話に続く

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